‖成道会‖陀羅尼会‖星まつり‖除夜法要‖修正会‖仁王会‖御修法‖
真言宗の宗祖しゅうそ弘法大師こうぼうだいしは、宝亀5年(774)6月15日に、中興ちゅうこうの祖興教大師こうぎょうだいしは、嘉保2年(1095)6月17日にお生まれになりました。2日違いですが両祖大師りょうそだいしのお誕生をお祝いして営む法要が、両祖大師誕生会です。ちょうど、新緑の青葉が美しく目にしみるころなので「青葉まつり」と呼ばれ、はなやかな慶讃法要けいさんほうようがいとなまれます。
若緑に包まれた自然の中で、あらゆる恵みにはぐくまれ、生かされているご恩に、改めて深く感謝します。
弘法大師、興教大師のお誕生日には、両祖大師のご遺徳いとくをしのび、そのみ教えを実践することを誓いましょう。
孟蘭盆うらぼんは、梵語ぼんごのウランバナからきていて、もともとは倒懸とうけん(逆さに、吊つるされた苦しみを受ける)という意味だとされています。お釈迦さまの十大弟子じゅうだいでしの一人、目連尊者もくれんそんじゃの亡き母親は餓鬼がき-飢えて鬼のようになってしまった精霊-となって、倒懸の苦しみを受けていました。お釈迦さまから「7月15日、修行を終えた僧侶に読経どっきょうをしてもらい、食事を供養すれば母親を救済できる」と教えられ、尊者はその供養を実践し、亡き母親を救うことができたといわれています。
日本では、昔から先祖の霊が夏に帰って来るという言いつたえがあり、仏教の伝来により、7月13日から16日までの間、祖先の霊をお迎えして、供養をするようになりました。今では「うらぼん」を略してお盆と呼んでいます。
現在では、7月または8月に行われます。お盆には精霊棚しょうりょうだなを作り、供物を供えておまつりしましょう。迎え火や送り火、僧侶の棚経たなぎょう、また灯籠流とうろうながしや盆踊りなど、お盆に由来するさまざまな行事が各地に伝えられています。8月は故郷へ帰る人たちで大混雑しますが、亡くなったご先祖さまに、供養と感謝の気持ちを捧ささげるためにも、ふるさとのお盆行事には参加したいものです。
施餓鬼会の起こりは、お釈迦さまの十大弟子の一人、阿難尊者あなんそんじゃの体験に由来すると伝えられています。尊者がある夜瞑想めいそうしていると、恐ろしい姿をした餓鬼がき-飢えて鬼のようになってしまった精霊-が現れ「お前の命はあと3日だ。3日後には餓鬼の仲間に引き入れる」と告げました。尊者はさっそくお釈迦さまに餓鬼に施ほどこしをする作法を授かり、食物を供え、ご真言しんごんを唱えて回向えこうしたところ、たいそう長生きをしたということです。このことから、施餓鬼会は、春秋の彼岸やお盆と共に、大切な行事になりました。
また、施餓鬼会は、お盆の前後に行われることが多く、「孟蘭盆施餓鬼うらぼんせがき」として広まっていますが、期日が決まっているわけではありません。他の月に行うお寺もあります。
私たちは、知らず知らずのうちに殺生せっしょうをして毎日を過ごしています。 それは、生き物のいのちをいただき食事をすることで、私たちは、つつがなく生きていくことができるということです。私たちは、このことに感謝し、供養をつくすことによって三界萬霊さんがいばんれい(この世のあらゆる精霊)や無縁仏への回向とし、また、この供養が巡って先祖に届くのです。